こんにちは!
dearPU(でぃあぷ)先生です。
学校の教科書をより分かりやすく,さらに問題が解けるようになるための情報に特化して解説していくシリーズ【物理の攻略本】です。
物理が得意で伸ばしたい人,苦手で克服したい人それぞれに役立つ内容となっていますので是非参考にして物理を好きになってくださいね。
教科書の演習問題の解説のみ見たいという方は目次から飛んでください。
第十一回は円運動と万有引力より「万有引力」です。
覚えるべき公式・用語
天動説
「太陽や惑星を含む天体は地球を中心に回転している」という説。かつて人々が信じていたが,誤りであると明らかになった。
地動説
「地球も惑星も太陽を中心に円運動する」という説。コペルニクス(ポーランド)によって唱えられた。
ケプラーの法則
惑星は太陽を一つの焦点とするだ円上を運動する
惑星と太陽とを結ぶ線分が一定時間に通過する面積は一定である(面積速度一定の法則)
惑星の公転周期\(T\)の2乗と軌道だ円の長半径(半長軸の長さ)\(a\)の3乗の比は,すべての惑星で一定になる
$$\frac{T^2}{a^3}=k$$
(kは定数)
万有引力
ニュートンは「一般に2つの物体は常に両者の質量の積に比例し,距離の2乗に反比例する引力を及ぼしあっている」と結論づけた。この引力はすべての物体の間ではたらくので,万有引力といわれる。
2つの物体が及ぼしあう万有引力の大きさ\(F\)は,2物体の質量\(m_1, m_2\)の積に比例し,距離\(r\)の2乗に反比例する
$$F=G\frac{m_1 m_2}{r^2}$$
\(G\)は物体によらない定数で,万有引力定数とよばれる。
\(G=6.67\times10^{-11}\)N\(\cdot\)m\(^2 \)/kg\(^2\)
重力
地球を質量\(M\)[kg],半径\(R\)[m]の球とし,地上での重力加速度の大きさを\(g\)[m/s\(^2\)]とする。地上の質量\(m\)[kg]の物体にはたらく重力は万有引力と等しいと考えると,
$$mg=G\frac{Mm}{R^2}$$
となる。したがって,次の式が得られる。
$$g=\frac{GM}{R^2}$$
万有引力による位置エネルギー
質量\(M\)[kg]の地球の中心Oから距離\(r\)[m]の点Pにある,質量\(m\)[kg]の物体がもつ万有引力による位置エネルギーを\(U\)[J]とする。無限に遠い点P\(_0\)を基準点(\(U=0\)の点)に選ぶと,\(U\)は次のようになる。
$$U=-G\frac{Mm}{r}$$
力学的エネルギーの保存
質量\(m\)[kg]の物体が,質量\(M\)[kg]の物体からの万有引力だけを受けて,速さ\(v\)[m/s]で運動しているときは,力学的エネルギー保存則が成りたつ。よって,物体間の距離を\(r\)[m]とすると,次の式が成りたつ。
$$\frac{1}{2}mv^2+(-G\frac{Mm}{r})=一定$$
第一宇宙速度
物体を高い山から十分な大きさの初速度で水平に発射すると,地球の周りを回り続ける。その最小の初速度の大きさを第一宇宙速度(約7.91km/s)という。
第二宇宙速度
上記,初速度が第一宇宙速度より大きくなると,物体の軌道はだ円を描くようになる。さらに初速度が大きくなると,物体は無限の遠方に飛んでいく。このときの最小の初速度の大きさを第二宇宙速度という。
問題の解き方
万有引力
万有引力の公式を覚える
2つの物体が及ぼしあう万有引力の大きさ\(F\)は,2物体の質量\(m_1, m_2\)の積に比例し,距離\(r\)の2乗に反比例する
$$F=G\frac{m_1 m_2}{r^2}$$
\(G\)は物体によらない定数で,万有引力定数とよばれる。
\(G=6.67\times10^{-11}\)N\(\cdot\)m\(^2 \)/kg\(^2\)
等速円運動などの条件から運動方程式を立てる
運動方程式を解いて解を求める
【徹底解説】教科書の演習問題
万有引力を受ける運動
人工衛星 | 質量[kg] | 地上からの高さ[km] | 公転周期[分] |
---|---|---|---|
A | \(1.7\times10^3\) | \(5.5\times10^2\) | 96 |
B | \(1.5\times10^3\) | \(h_B\) | 720 |
C | \(2.4\times10^3\) | \(h_C\) | 1440 |
表は,地球の周囲を回る人工衛星のデータである。人工衛星は地球を中心とした等速円運動をしているとして,次の問いに答えよ。
人工衛星の質量を\(m\)[kg],地上からの高さを\(h\)[m],公転周期を\(T\)[s]とし,地球の質量を\(M\)[kg],半径を\(R\)[m]とする。等速円運動の半径は\(h\)と\(R\)を用いて\(\fbox{ア}\)と表されるので,等速円運動の運動方程式は次のように表される。
$$m\cdot(\fbox{ア})\cdot \fbox{イ}=G\frac{Mm}{(\fbox{ア})^{\fbox{ウ}}}$$
これを整理すると,次の式が得られる。
$$\frac{T^{\fbox{エ}}}{(\fbox{ア})^{\fbox{オ}}}=\fbox{カ}$$
この式より,人工衛星の公転周期\(T\)は\(\fbox{キ}\)。
〈選択肢〉
①地上からの高さ\(h\)だけで決まり,高さ\(h\)が大きいほど周期\(T\)は短くなる
②地上からの高さ\(h\)だけで決まり,高さ\(h\)が小さいほど周期\(T\)は短くなる
③人工衛星の質量\(m\)と地上からの高さ\(h\)によって決まり,質量\(m\)が小さいほど,また,高さ\(h\)が小さいほど周期\(T\)は短くなる。
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